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フォーチュンクエスト・デュアンサークの二次創作。現在更新停止。

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七夕(FQ SS)



* 七夕 *



「ぱぁーるー!早くー!」
「はーい!」
パタパタと階段を駆け降り庭へ出ると大きな竹が1本あった。
「すごい大きいねー!!」
近くに駆け寄り見上げる。
「一番大きなの、取ってきた」
ノルがにっこり笑いながら言った。
「絶対願い事叶いそうデシね!」
うんうんと首を縦に振ってルーミィとシロちゃんがにこにこしている。
「じゃあ、短冊に願い事書いて飾ろうね!」
小さな手をとってリビングへと戻った。


 
バイトから帰ってくると庭に大きな竹が生えていて(正確には立ててあるんだが)そこには5色の紙がぶら下がっていた。
ひょいっとピンクの紙を見ると「くれぇママのクッキーがたくさん食べたい」と、かろうじて読める文字が書かれていた。
これはルーミィのだな。
あいつらしい。
そうか、今日は七夕だからぜひみんなでやりたい!と昨晩パステルが言ってたな。
ふん、こんなことで願い事がかなうんだったらいくらでも書いてやるぜ・・・
そう思っていると家から声がした。
「おーい、トラップ、帰って来たならさっさと入れよ!夕飯冷めるぞ!」
「へいへい」

夕飯後はリビングのソファで横になる。
リビングでの俺の定位置だ。
みすず旅館暮らしが長かったせいか俺達は必然的に一か所に集まる。
家を持った今はリビングに集まることが多い。
キットンが実験中、パステルが〆切前でなければいつも全員リビングでまったりとくつろいでいる。
今日も例外なく、全員がリビングで過ごしていた。
「くれぇ!このご本読んで!」
チビエルフがクレイに絵本を差し出した。
クレイは嫌がることなくその絵本を読んでやる。
膝の上にルーミィを乗せて、傍らには手入れ中だったロングソードと竹アーマー。
なんつぅファイターだよ!
軽くため息をつきながら目を閉じる。

絵本は七夕に関する話だった。
空の上に住む天女が地上に降りてきて池で水遊びをしていたら、人間に空を飛ぶことができる不思議な羽衣を盗まれた。
そのせいで空に帰れなくなった天女は、人間の若い男と恋をして結婚し子供をもうけて幸せに暮らす。
その男が羽衣を盗んだやつだと知らずに。
しかしある日、男が隠していた羽衣を見つけた天女は、男と子供を置いて空へ帰ってしまった。
離ればなれになり悲しむ天女と男、子供は神に頼み、1年に一度、七夕の日だけ会うことを許された
・・・という話。
有名なのは織姫と彦星の話だが、世の中には星の数ほど、色々と七夕の話があるらしい。

「1年に1度しか会えないんデシかぁ・・・」
「かわいそうだぉう」
親のいないルーミィと、なかなか親に会えないシロにとってちょっと悲しい話。
どうしたものかとクレイが困っているとノルがやってきた。
「ルーミィ、シロ、天の川を見よう」
「今日は雲ひとつないですからね、きっととても綺麗ですよ」
キットンは何やら出かける準備をしていた。
「今日しか取れない薬草があるので!」とか言ってさっさと森のほうへ行っちまった。
「いこ!ルーミィ、シロちゃん!」
ぞろぞろと皆が出て行く中、俺はソファで横になっていた。
めんどくせぇからな。

しばらくするとカチャンとドアが開く音がした。
こちらに近づく足音がする。
「トラップー起きてる?」
「・・・あんだよ」
「あ、起きてた。ねぇ、せっかくだからトラップもみようよ」
「・・・何を?」
「天の川!すっごく綺麗だよ!」
「お前らだけで見りゃいいじゃん」
はぁ・・と小さくため息をつく。
「もうっ!すっごく綺麗だから一緒にみたいなって思ったのに!」
ぷくぅっと頬を膨らせ怒る。
「・・・わぁーったよ」
のそのそと起き出す。
一緒に見たいなんて言われたらそりゃここで寝てる場合じゃねぇだろ。
たとえその場にクレイだのちびエルフやシロやノルというお邪魔虫がいるとしても!
星空を好きな女と一緒にみるなんざ、これ以上ないデートシチュ!!
必死にポーカーフェィスを保つ。


外へ出るとあいつらは竹の下ではしゃいでいた。
わざとそちらへは行かず、玄関ドアにもたれかかり空を見上げる。
こりゃ確かに、綺麗だな。
まるで宝石が川を作っているかのようにキラキラと輝いていた。
下を見ると月と星の明かりに照らされたあいつの顔がキラキラと夜空の星のように輝いていて・・・
ルーミィ達のはしゃぐ声がしなかったら思わず迫ってしまうような光景だ。
「そうだ。おめぇ知ってるか?」
そう切り出すと「何を?」と聞いてきた。
「七夕の伝説。色々とあるんだぜ」
「へぇ!そうなんだ!私、ルーミィの絵本のお話と織姫と彦星の話しか知らないな。どんなお話なの?」
ちらっとあいつの目を見る。
大きな目を輝かせながら早くお話が聞きたいって顔してやがる。
ルーミィかよ、おめぇは。
くくっと笑ってしまう。
片方の眉をあげて不審な顔をするので、その場に座ることで誤魔化した。
同じようにあいつも隣に腰かけた。
「ある国にさ、すっごく仲良い夫婦がいたんだと」
「うん」
「その夫婦はすごく仲が良くて、いつもどこにいくのも、なにをするのも一緒だった。しかし・・・」
「・・・しかし?」
「死ぬときまではさすがに一緒ってわけにはいかねぇ。二人は別々に死んで、別々に天に召されたんだ」
「二人の距離はとても遠く離れていて、会うことができねぇ。二人は死んでもなお深く愛し合っていたから、一緒にいたいと強く願っていた。そこで二人は星屑を集めて二人の間に光の橋を作ることにしたんだ。毎日毎日、何年も何百年もかけて星屑を集めては橋を作っていき、千年ほどたったある日、ようやく完成したんだ」
空を見上げて、指で星を差す。
「それが天の川なんだとよ」
顔をあげたまま視線をあいつのほうにやると、あいつも同じように顔をあげて天の川を見ていた。
大きな瞳には星が写っていていつもとは違う雰囲気にドキっとしちまった。
視線を空へ戻す。
「そして、二人はいつまでも一緒に仲良く暮らしてるんだとさ」
「・・・」
無言のまま空を見つめている。
「・・・そこまで深く愛し合えるってのは、いいよな」
ポツリと呟くとパステルはびっくりした顔をしてがばっとこちらを見た。
「・・・なんだよ」
「だって、トラップがそんなこと言うなんて」
信じられないと呟くあいつに思わずデコピンを食らわす。
「いったぁーい!」
「バーカ」
「バカとはなによぅ」
目の端に涙を浮かべてこちらを睨む。
・・・その上目遣いがたまらねぇ・・・
思わずじぃっと目を見つめる。
すると不安そうな顔をしたあいつが
「何よ・・・」
と聞いてきた。
「なんでもねぇよ」
「何それ」
「ホントになんでもねぇよ。ただ」
「ただ?」
「・・・諦めずに強く願い続ければ、願いってぇのは叶うのかなと思っただけだよ」
「・・・そういえば、トラップの願いってなんなの?」
「・・・秘密」
「えぇー?どうせギャンブルで勝ちますようにとかそんなんじゃないの?」
「んなわけねぇだろ。ガキかよ俺は!」
「違うの?」
「違うの!」
「教えてよ!」
「教えてやんねぇ!」
もぅ!と言いながらまた頬を膨らませる。
無意識に手が伸びる。
あいつの頬に触れようとして触れることができず、そのまま下に手をやって、あいつの手の上に重ねた。
「・・・ぜってぇ教えてやんねぇ・・・」
言葉では。
手にやってた視線を上に戻すと顔を真っ赤にし、大きな目をこれでもかってくらいに見開いたパステルが俺を見ていた。
にやりと笑うと真っ赤な顔がさらに真っ赤になった。
「・・・マトマ見てぇな顔」
笑うと今度は眉がつりあがって口がパクパクと魚のように動く。
・・・どうやら言葉が出てこないみたいだな。

すっと手を離して立ち上がりクレイたちのほうへ歩いて行った。
背中のほうから大きなため息が聞こえた。
・・・一歩前進ってとこか?
「あんちゃんは短冊書いたんデシか?」
シロがパタパタと飛んできて俺の肩に止まる。
見るとルーミィはノルに肩車してもらっていた。
「俺か?俺はいい」
「なんでだぁ?」
ルーミィが首をかしげる。
「協調性のないやつだな」
そういうクレイにふんと鼻で笑う。
「俺はおまえらと違って現実主義なの!」
「ま、そだな。星に願いを・・なんてしてるお前なんて想像できないな」
ぷっとクレイが笑うと、ノルも想像したのか顔を真っ赤にしてくくっと笑う。
ルーミィとシロも大笑いだ。
「て、てめぇら今なに想像したんだ!!」
「い、いや、なんでもないよ。なぁ?ノル?」
「あぁ、何も想像してない」
笑いながらそう言われても説得力ねぇっつーの!
むすっと膨れながら玄関のほうを見るとあいつがまだぼーっとしながらこっちを見ていた。
暗いからこっちの顔が見えるかわからねぇが・・・
めったにやらねぇ、優しい顔っていうのをあいつに向けてやった。


「あいつと共に、これからの人生ずっと一緒に歩いていけますように・・・」

短冊に書く代わりに、あいつの顔を見ながらぼそっと呟いた。







end







あとがき



ひゃー!
どうだろうどうだろう??
七夕てことで、なんとなくあまーく仕上げてみたかったのですが、どうでしょう?どうでしょう?
どきどき////
いつものトラなら誤魔化すだろうところもあえて誤魔化さずやってみたのですが・・・
うぅ~ん・・・
トラじゃなくなってしまったような・・・n
はぅぅ・・・


旦那が昨日今日と連休だからあまり読み返せてなくて・・・
後日修正が必要かもしれませんn
うぅ・・・
なんか7月入ってからこんなんばっかかも。
ノル誕も時間なくて超特急仕上げだし。
の割には2本もSS書いたんだけどw
だってぇ~さぁ~・・・
ごにょごにょと言い訳・・・・n




読んでくださった皆様ありがとう!
そして、いつもすんませんorz
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Comment

 

きゃ~っきゃ~っ。
素敵です♪
ラブ甘最高ですっ!!

七夕の話も切ないですが、素敵です。
ではまた。
  • posted by 明都 
  • URL 
  • 2010.07/07 21:35分 
  • [Edit]

 

七夕っていろいろなお話があるんですね~
知らなかった(^^;

トラ甘甘で素敵vv
顔がニヤニヤですぅ。


  • posted by sawa 
  • URL 
  • 2010.07/10 01:24分 
  • [Edit]

明都さん♪ 

ありがとうございますvvv
もっとラブ甘にしようとおもったのですが、恋人設定が今のところ書けない私にはこのヘンが限界っぽいです^^;
原作で恋人になっちゃっても・・・
書けないような気はしますがw
もっと勉強したいと思いますwww
  • posted by tomo西村 
  • URL 
  • 2010.07/11 04:58分 
  • [Edit]

sawaさん♪ 

ありがとうございますvvv
ちょっとトラに良い想いさせてしまいましたwww

七夕伝説って、日本だけでも結構色々とあるそうです^^
今回クレイがルーミィに読んであげた絵本の七夕伝説はうちの県に昔から伝わるお話です。
トラがパスに話してあげたお話は北欧の七夕伝説です。
国によっても色々な伝説があるので面白いです♪
  • posted by tomo西村 
  • URL 
  • 2010.07/11 05:16分 
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